写真に奥行きを与えるのは、大抵難しいことと思われています。私たちは自分の目で、立体的に何事も捉えていますが、カメラとなると、通常、平面的にしか捉えることができません。
印象的なシーンをカメラで捉えたものが、自分の目で見て素晴らしいと思えるほどではないのは、こういった理由があるからです。これは、特に、風景写真においていえることです。素晴らしい景色が、平面的で退屈なものになってしまうのです。
幸いにも、撮影する写真に奥行きを作るのに便利な、いくつかの構図テクニックがあります。視点を変えるだけで、大きな違いを演出できることもあるのです。
奥行き感を与えることができれば、撮影画像はさらに面白く、興味をそそるものになります。奥行き感があると、見る人は、写真の前から遠くまで、撮影シーンを探索することもできるのです。
この記事では、iPhone写真で奥行き感を演出する、5つの構図テクニックをご紹介します。
- 手前に、興味深いものを配置する
何の変哲もない前景は、特に風景においては、写真をフラットに面白味のないものに見せてしまいます。前景にモノ/ヒトを含むことは、写真に奥行きを作るのに良い方法で、かつ、見る人の興味を惹きます。
前景に興味を惹くものをおくことで、写真をよりダイナミックにし、前景にあるモノ/ヒトと遠くのものの距離感を強調することができます。 目線を写真の前景から後景にリードする助けとなります。
風景写真を撮影する際、岩や花、人や突き出している木の枝など、前景に配置できる面白そうな対象物を探しましょう。それから、そういったオブジェクトを含む写真の構図を、写真のフロントで組みましょう。
- 低いアングルから撮影する
視点を変えることで、写真に大きなインパクトを与えることもできます。低いアングルから撮影することは、ユニークな視点からシーンを見せる良い方法でありつつ、画像に奥行きを作る手助けにもなります。
立った高さからの撮影では、興味を惹く十分な前景を入れて撮影することが難しいものです。より低いアングルからの撮影構図ですと、前側のオブジェクトを強調することができますので、画像に奥行きを与え興味をひくこともできます。
低いアングルからの撮影は、極端な遠近感も演出することができますので、奥行きを演出するもう一つの良い利点だといえます。
低い位置からの視点は、立った高さから捉えるよりも、よりスピーディに平行線がカバーする部分を表現できるので、写真の奥行きにもダイナミックな効果をもたらすことができます。
- リードラインを使用する
写真の中の線形の方向に注意を向けさせるリードラインは、前景から遠くに導いてくれるものです。川、道路、小路、橋、線路といったものは全て、優れたリードラインとなります。
リードラインは、グラフィック的な要素を強く押し出すのと同様に、画像の中の奥行き感にパワフルなインパクトも与えます。
ライン(線)は、写真の中で見る人の目線を導くことで、画像によりダイナミックさを演出することができます。リードラインは、目線を導くことにより、より主題に注意を引くことにも使われます。
リードラインは、遠くに向かう線路のような、真っ直ぐで平行状のものが良いでしょう。もしくは、風景の中で曲がりくねった小路やS字型の河川の形態であるとより強調されるでしょう。
リードラインにおけるトリックは、ラインがフレーム内でベストポジションに納まるように構成することです。通常、ラインが下側の端から遠くまで伸びているように配置すれば、ベストです。見る人が写真の前で、シーンを通じて背景に至るまで追いかけさせることができるからです。
- 前景のオブジェクトと一緒にシーンを構成する
フレーミングの構図テクニックとして、主題の縁の周辺にフレームを作るために、前景にあるオブジェクトを使うことがあります。興味深さと文脈を写真に加えると共に、奥行き感を演出する便利な方法でもあります。
この手法は、手前に興味を惹くものをもってくる方法と同じようなコンセプトをもっています。フレームを通じ、画像の前面から、主題や離れたところのシーンに向かって見る人の目線を導くことができるのです。
フレームは、アーチ道や窓枠のように、4辺全てで主題やシーンを完全に囲みます。もしくは、フレームの1サイドに垂直型に配置した、突き出した木の枝のような、写真の1~2辺を囲むものでもよいでしょう。
次回、写真を撮りに外出した際は、撮影に使えそうな自然なフレームを探してみましょう。
- シーンの中のオブジェクトをオーバーラップさせる
1つのシーンの中で別々のオブジェクトをオーバーラップさせる(重ね合わせる)ことも、写真に奥行きを見せる良い方法の1つです。これは、離れた場所に別々の要素を含む、風景写真において特に機能します。
この作例では、異なる場所で木々がオーバーラップしており、オレンジ色の岩と雪の積もった地面が、奥行き感を演出するのに非常に役だっています。
写真を撮る際、撮影するシーンで別々の要素が各々オーバーラップするように、ベストな地点を探して歩き回りましょう。左右に2~3歩歩くだけで、構図に違いと、画像に奥行き感を演出することができることもあります。
Emil Pakarklis
Emil Pakarklisは熱心なiPhoneographerでiPhoneでいかにより良い写真を撮影するかのブログ、iPhone Photography Schoolの創立者です。メール、Instagram、Facebook、 Twitterでコンタクトすることができます。