被写界深度もしくは焦点深度を活用することは、スマホを使用した写真撮影ではかなり難しいことの1つと言えます。 従来の(D)SLRカメラでは、露出の基本トライアングル(ISO感度、絞り、シャッタースピード)の3要素を全て制御することができます。 絞り優先モード、もしくは完全にマニュアルで撮影することで、絞りにより重点を置き、結果として被写界深度に影響を及ぼすことができます。
どういった撮影結果を目指すかというと…
この記事から少々話が逸れますが、被写界深度と絞りの関係は、簡単に言えば「開放」状態の絞りを使用すれば、被写界深度が浅くなる結果を得られる1つの要素となります。 浅い被写界深度は意図的に焦点を外した前景・背景(いわゆる前ボケ/後ボケです)において、被写体を目立たせることができます。
この画像は従来のカメラを使用し、F1.4の開放絞りでとらえたものです。キーポイントは白黒画像にも関わらず、被写体が残りの背景と比べてシャープなためハイライトされることです。全ての画像が焦点に合っていれば、馬のたてがみは、草と似たテキスチャとなるためそれほど目立たなくなります。
問題:
最近のスマホのカメラはISO感度 またはシャッタースピードを優先して、コントロールします。 しかしながら、絞りは固定されたままとなっています。この利点は、すばやくカメラを向けタップでき、これにスマホの固定焦点距離のカメラレンズが組み合わされると、固定の絞りは通常、広範囲で焦点が合うことです。 ですので、ほとんどのシーンで満足のいくフォーカスとなり、シーンをとらえることができます。
最高の練習は、ベスト品質の写真を撮るのに、マニュアルでフォーカスを合わせることでしょう。そうはいっても、多くのストリートフォトグラファーは、中程度の絞り値にセットし、瞬きの間に過ぎ去ってしまうような撮影ショットが存在する、ダイナミックな環境で、安全性を確保します。このようなセットアップの考え方はスマホ撮影では難しい一方で、光量が十分な状況では、標準的なスマホのカメラは、ストリート環境にぴったりだということもできると思います。事実、それが、ストリートフォトグラファーにとっての究極の都市的カモフラージュなのです。
しかし、その代償があります。 絞りを固定することで、被写界深度はコントロールできなくなります。 また光量が乏しい中では、露出オプションが限られ、動体ブレや露出アンダーになりがちです。
この画像は、バーの窓辺に立ち人を眺めながら、iPhone4で撮影したものです。遠くがボケて、あまり望ましくない効果を呈しています。ピンがきているともきていないとも言い難く感じます。
アプリを幾つか試した後、かなり望ましい状態になりました。 焦点が合わない遠くの光は、フォトグラファーが愛して止まない従来の機器を利用して醸し出す、従来の丸ボケ効果になりました。 この記事では、スマホでこのような効果を得る様々な方法をご説明します。
被写界深度をもたらす -3つの方法
1. 近くの被写体に焦点を合わせる
スマホのカメラは、レンズに非常に近い被写体を捉えると、直接カメラから浅い被写界深度を作りだすことができます。 下の画像では、濡れたクモの巣に焦点を合わせました。背景のシーンには焦点が合っていないことが分かります。
この効果は、被写体との距離が長くなる程薄れてしまいます。 距離が増すにつれ、被写界深度の効果は明らかに薄くなり、最終的にはほとんど存在しなくなってしまいます。 以下は、スマホカメラで撮影したままの画像で、焦点を合わせた前景とぼんやりした背景のバランスをとりたいと思ったものです。
絞りとレンズの焦点距離と共に、焦点距離が被写界深度を決めます。 これはスマホで撮影する人が、撮影現地でコントロールできる唯一の要素です。 被写体との距離をいろいろと変え、シーン全体におけるボケ効果にどのような影響が出るか、試してみると良いでしょう。
2. 交換レンズ
スマホに接続するレンズを何枚でも購入することも可能です。 私は非常に近い物体に焦点を当て、素晴らしいボケ効果を作ることができるマクロレンズを持っています。 またLensbabyの Sweet Spot レンズも持っていますが、シーンのごく限られた部分に焦点を合わせ、他の部分は焦点から外すことができます(実際には被写界深度ではありませんが、画像処理せずに光学的に直接美しいボケ効果を得ることができるものです)。 両方のレンズとも1~2インチ程度のサイズのため、携帯性に優れていることは言うまでもありません。(マンフロットブランドのiPhone用のレンズはこちらをご参照ください)
この画像はマクロレンズを取り付けて捉えたもので、ミリメートル単位の被写界深度が作りだせました。
3. アプリ
画像の後処理段階で、被写界深度と同様な効果を得ることができるアプリがいくつかあります。前述した、 私が撮影した深夜のリンカーンハイストリートの画像がその例です。この画像の編集全ては、ここで見ることができます。私の個人的なお気に入りは、AfterFocusです。
そのほかですと、Tadaa SLR と Big Lensなどがあります。これらのアプリを利用することで美しく、本物のような効果を得ることができます。残念ながら広角レンズを装着した(D)SLRカメラのシャッターを切るだけのシンプルなものではなく、処理に時間は掛かりますが、一つ選んで、色々遊び試し、自分の画像で効果を見てみることをお薦めします。
For the right image, this is the method I employ the most to achieve depth of field.
私にとって「アプリ」を使用することは、スマホ写真撮影と画像作成の過程の一部となります。 満足できる画像とするため、これが、様々な被写界深度を採用することができる私の方法となっています。
その他の例:
ビフォア:
アフター:
一連の編集は、こちらで見られます
ビフォア:
アフター:
一連の編集は、こちらで見られます
Skip
友達にskipとして知られるPaulは、イギリスのリンカーン出身の受賞歴を持つ iPhoneographerです。
彼のブログ、skipology.comでは、画像作成に利用されるアプリや処理方法についてのアウトライン等が説明されています。
彼は、編集がほとんどない町並みの撮影から、高度なテクスチャと絵画のような構成を持つものまで、様々なスタイルで、全てはiPhoneとiPadのみで撮影されています。
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