12.03.2015

余白のおはなし

12.03.2015

余白のおはなし

20150312_1

単純であること。日々の中で大切にしていることのひとつでこれは「伝える」という意味では写真も同じなのではと考える。
写真も単純な方が良い。それは撮るモノから届けるところまで、全てにおいてそうであったらいいなぁと自分の中で掲げるひとつの理想です。

複雑なモノほど受け取り難いことはないし、そもそも人の心はシンプルだから。

Processed with VSCOcam with hb1 preset

最近よく感じることだけど、共感への期待を取り除くとそこには柔らかな余白ができる…この心の在り方と写真で表現をすることは遠からず似ていると思っています。

良い写真とは何ですか、という言葉を目にする度にわたしはこの単純さや余白のことを思い浮かべます。

Processed with VSCOcam with g3 preset

Processed with VSCOcam with a5 preset

価値というものは他人が定めるモノですが、そもそも撮るその意味は自分で決められます。評価を気に掛けて志がブレてしまうと、自分にとっての本当の意味が薄まってしまうのではないでしょうか。
その一瞬を写真に残すことにどんな意味があるのかを知っていれば、ありのままでいられます。
良し悪しなど気にかけることなくただシンプルになれる…すると今まで存在しなかった余白が自然と生まれる、ぽつんと。

例えばわたしは「この世界は今日も美しいよ。」と伝えたいが為に写真を撮っていて、本音を言えばその先に共感はあってもなくてもいいのです。あなたと共有することに意味があるから。

Processed with VSCOcam with s2 preset

20150312_6

でも、もし。
そこで何かを感じてくれたら嬉しい、という心の余白もちゃっかりと用意しています。
複雑を削ぎ落とした分だけ自分の在り方や視点も大きく変わるなら、きっと見る側の視野を広げることにも繋がっているはずだと信じて。

シンプルになればなるほど広がる余白を、凡ゆる考えを巡らせる為に残したいのです。ささやかな想像の中の大きな可能性のひとつとして、あなたの眼に心に映る余白が柔らかな余韻を残せたら。こんなに素敵なことはないとわたしは思います。

6151|Rokuichi goichi

「本当に大切なものは目には見えないとあなたは云うけれど、僕には確かめたいことがあるんだ。」
東京を拠点に写真展やWebで活動中。 珈琲と愛機の傍らで今日もぼんやりと空を眺めています。
記憶と記録 Instagram: @6151
web: www.besidecoffee.net

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